親知らずについて
更新日時:2023/05/08
カテゴリ:ブログ
吹田駅 歯医者
ゆうき歯科 です。
親知らずについて。

親知らずを20歳前後に抜いたほうがいい理由と年齢別リスク

親知らずを抜かなくてはいけないと思いながらそのままにしている方も多いのではないでしょうか。親知らずの多くは横や斜めに生えていてその他の歯に悪さをすることが多いのです。親知らずを抜歯するもっともよい年齢は20歳前後といわれています。なぜなら、痛みや腫れが少なく出来るだけでなく、虫歯や歯周病にとって多くのメリットがあるのです。なぜ20歳前後に親知らずを抜歯したほうがいいのかお伝えします。ぜひ、参考にして下さい。

1.親知らずが生えてくる年齢

親知らずは別名18歳臼歯と呼ばれ、18歳から30歳位に生えてきます。しかし、多くの親知らずは横や斜めに生えていて、その時期に生えてこないこともあります。歯茎の中に埋まったままの親知らずは手前の歯や歯の周りの骨を溶かしたり、歯並びを悪くしたり、口臭の原因となったりと悪影響を及ぼすことが多いのです。

2.親知らずを20歳前後に抜いたほうがいい9つの理由

2-1.骨や歯茎の治りが早い

親知らずを抜歯後、親知らずがあった部分には骨や歯茎が盛り上がり、傷口が治ってきます。20歳前後の回復力が活発な年齢の時に親知らずを抜歯すると、傷口が早くふさがり、腫れや痛みが長引かずに済むことが多いです。

2-2.腫れや痛みが少ない

横や斜めになっている親知らずを抜歯するには骨をけずったり、歯を割ったりする必要があります。20歳前後であれば、骨や歯がまだ硬くなっていない為、歯を早く抜くことができます。抜歯をする際、時間がかかると骨が空気に触れる時間が多くなり、痛みや腫れが強くなってしまいます。

2-3.骨が回復しやすい

親知らず抜歯後、親知らずがあった部分は骨で埋まります。全て骨で埋まる場合もあれば、くぼみが残る場合もあります。20歳前後に抜歯すると骨の状態がキレイに回復し、その後の歯磨きもしやすい形となります。

2-4.親知らずの前の歯が虫歯になる前に抜く

親知らずが横や斜めに生えていると、親知らずと親知らずの前の歯との間に虫歯ができます。見た目では判りにくく、レントゲンを撮らなければ見つけることができないため、神経まで虫歯が進んでしまうこともあります。親知らずの前の歯が虫歯になる前に、親知らずを抜歯したほうがいいのです。

2-5.親知らずの前の歯が歯周病になる前に抜く

親知らず親知らずが横や斜めに生えていると、親知らずと親知らずの前の歯との間の歯周ポケットが深くなります。歯周ポケットは症状が無く深くなり、最終的には親知らずより、親知らずの前の歯が揺れてきたり、腫れてきたりすることが多いです。そのため親知らずの前の歯の歯周ポケットが深くなる前に、親知らずを抜歯したほうがいいのです。

2-6.神経のリスクが少ない

親知らずの根の近くには大きな神経と血管が通っている下顎管(かがくかん)というものがあります。親知らずの抜歯の際、下顎管を傷つけてしまうと出血が多くなったり、麻痺が出たりすることがあります。親知らずの根が完成すると下顎管に近くなり、抜歯の時の麻痺のリスクが高くなります。そのため親知らずの根が完全に出来上がっていない20歳前後に抜いたほうが、麻痺のリスクを下げることができます。

2-7.矯正治療経験者は親知らずによって歯並びが戻ってしまう

親知らずが残っていると、奥から前に生えてくる力がかかり、前歯の歯並びが悪くなることがあります。特に、矯正治療を受けていると、歯の周りの骨が固まっていない為に、矯正治療の後戻りが起こることがあります。そのため、顎の成長が止まり、噛み合わせが安定する20歳前後に親知らずを抜いた方がいいのです。

2-8.妊婦、出産時に抜歯は出来ない

妊娠や出産時には女性ホルモンによって歯周病や虫歯にかかりやすくなり、親知らずに痛みが出ることが多いのです。しかし、抗生物質等の服用が必要なため、抜歯をすることが難しく痛み止めなどで我慢しなくてはなりません。そのため、女性の方は20歳前後に親知らずを抜歯しておいた方がいいのです。

2-9.親知らず抜歯で小顔になる?

親知らずが生えてくると親知らずとともにその周りには骨が盛り上がってきます。親知らずを20歳前後に抜くと、周りの骨が硬くなっていないために、親知らずがなくなると、横に張り出した骨が吸収しやすくなります。

3.年齢別親知らずの影響と抜歯のリスク

3-1.30歳代~40歳代の親知らず

歯周病のリスクが上がる

30代になると日本人の80%が歯周病にかかっていると言われています。親知らずが斜めや横に生えている場合は、親知らずと親知らずの前の歯との間に深い歯周ポケットができ、歯茎が腫れたり、口臭の原因になります。この年代に親知らずを抜歯すると、抜いた場所の骨が完全に回復せず、骨が下がってしまったり、歯周ポケットが残ってしまいます。

抜歯時、腫れや痛みが長引きやすい

横や斜めに生えている親知らずを抜歯する際、顎の骨を削ったり、歯を割って抜歯します。30歳以降になると骨や歯が固く、抜歯の際時間がかかってしまうために、痛みや腫れが長く残りやすくなります。また、骨や歯茎の回復にも時間がかかり傷口が完全にふさがるのに時間を要します。

3-2.50歳代以降

全身のリスクが増える

50歳を過ぎると糖尿病や心臓病、高血圧など全身の疾患が出てきます。その場合、主治医に全身状態や投薬等の確認が必要となります。特に骨粗しょう症の薬を飲んでいる場合は薬を止めて3か月待たなくてはいけないこともあります。

抜歯が大掛かりになる

横や斜めの親知らずが周りの骨を大きく溶かしてしまったり、骨と歯がくっついてしまい骨ごと削り取らなくてはいけないこともあります。また、親知らずによって親知らずの前の歯の歯周病が進行してしまい2本共に抜歯が必要になってしまうことがあります。


4.親知らずを抜かない選択肢もある

4-1.全身的リスクが大きい場合

糖尿病、循環器、骨粗しょう症などが高度に進行している場合、親知らずを抜かない方がいいこともあります。腫れや痛みが出た場合は薬で症状を緩和しながら出来るだけ現状維持を試みます。

4-2.抜歯をしても状況が変わらない場合

親知らずの手前の歯が親知らずによって歯周病や虫歯が進行してしまった場合は、親知らずを抜歯するのではなく、手前の歯を抜歯することもあります。また、抜歯をしても状況が変わらない場合はそのままにし、使えるところまでという選択肢もあります。

4-3.骨と一体化している場合

親知らずが骨と一体化してしまっている場合はそのままにしておくことがほとんどです。症状が出ないことが多く、自然に骨と一体化していきます。



まとめ

横や斜めに生えている親知らずは、出来れば早めに抜いたほうがいいのです。症状のない親知らずを抜くのは、面倒なこともあると思いますが、将来のリスクを考えれば早めに抜いておいた方が得策です。